豊かな森と川、そして茶畑に囲まれた静岡県の山村「ささま」。

人口約400人、かつて林業で栄えたこの村は、現在高齢化率が60%を超え、2008年には地域内の小・中学校が同時に廃校となってしまいました。

その一方で、2011年より始まったささま国際陶芸祭をきっかけに、これまでに20カ国以上の国からアーティストが訪れる地域でもあります。

この美しい村を訪れた人々はささまの雄大な自然と共に、この地域の人々の暖かさ。

そしてその暮らしの中にある豊かな暮らし・文化に魅了されます。​

ささまに滞在していたある一人のアーティストが言いました。

「久しぶりに鳥の声を聞いた。」と。

住民が少なくなった寂しい村。

でもその寂しさは私たちに鳥の美しいなき声、川のせせらぎの音を聴かせてくれます。

 

 

そしてそれは、村の人々の暮らしに通じるものがあります。

 

ある日、村を訪れていた人々にわら草履の作り方を教えていたおじいちゃんがつぶやきました。

「昔は貧しくって靴を買うお金がなかったから、自分で草履を作らなきゃいけなかったんだ。仕方なしに作っていたその技術を、今知りたいと言ってくれる人がいるのは嬉しいな。」と。

 

過疎化が進むこの村の暮らしの中から、美しさを見出し、豊かさを感じる。

それがこのわびさビレッジプロジェクトの根本にあります。

「わびさび」とは、「質素でありながらも静けさや寂しさを感ずるものなどを美しいと思うこと」

日本人の精神の原点だといわれています。

 

また、季節の移り変わりに敏感で、桜の散りゆく様や紅葉の移ろいを心静かに愛出ることも表しています。

物や情報があふれかえる現代だからこそ、華美なものを創出するのではなく、季節に寄り添ったささまの素朴な日常の暮らしの中に、日本人の心情の基本となるべき「わびさび」の心を見出し、感じることが大切ではないでしょうか。

茶部屋を改装したアトリエで作品の制作に取り組む。農家さんの手伝いをして農業を学ぶ。​近所の人と一緒に料理を

作り、食事を楽しむ。ただ、畳の上でぼーっとして過ごす。

各々が自然のままに過ごせる村。それがささまです。

​その中で、共に季節の幸を堪能し、四季折々の行事を体感し、山村の暮らし文化に根付く様々な知恵とその生活の

美しさに触れる。

言葉・国境を超え、笹間に訪れた人々がコミュニティの一員として、村の暮らしを自然に体験し、その文化に触れ、

そこに美しさを見つけ出してもらう。

それが「わびさビレッジささま」です。

この世のものは、時間の経過とともに劣化していくものでありそれは避けられないことです。

しかし時の流れを思わせるものを、単に劣化したものとして見るか、そこに美しさを感じるか。

そこにこの過疎の村が持続可能な村としてあり続ける未来への希望があるのではないかと思います。

わびさビレッジささまでは、この地域を訪れた人々にとって心のふるさととなる地域を目指し続けて行きたいと考えています。

Ceramic residency program in Japan.

©︎ 2019 WABISAVILLAGE SASAMA